映画、ブリキの太鼓をドイツ語で見ました

けっこう謎だったのが「ヨーロッパの国境の町では何語を喋っているのか」ということ。例えばドイツとポーランドの国境の町では何語を話しているのかと。日本のような島国ならともかくヨーロッパのような陸続きの町で、ここまではドイツ語、ここまではポーラ…

ぶっちゃけ

ぶっちゃけ、というのは京都弁なんですね。はじめて知りました。語源は「打ち明ける」の訛りだそう。

言語は文字ではなく音声が本質であるというのは、そうかもしれませんが…

言語は文字ではなく音が本質である。なぜなら文字を持たない言語が多くあるから。というのが言語学の大原則です。これに異を唱えるつもりはありませんし、欧米語やサンスクリット、そして文字を持たない言語についてはまさにそのとおりだと思いますが、でも…

金を儲けるも子供を設けるも、どちらも「もうける」x

日本語は、自動詞・他動詞のペアだあっても漢字が違うせいでペアに見えないことがよくあります。たとえば「据える(すえる)」、「座る(すわる)」とか。なお漢字が違うせいで、同根なのにそう見えない言葉の最たるものは、儲けると設けるだと思います。金…

後置定冠詞

英語のtheに相当する定冠詞を名詞の後ろに置く後置定冠詞は、筆者の知るかぎりブルガリア語、ルーマニア語、スウェーデン語がそうで、ということはデンマーク語やノルウェー語もそうでしょうし、マケドニア語やセルビア語あたりもそうかもなと思います。むか…

イタリア語はフィレンツェ

イタリア語の古文は当然ラテン語といいたくなりますが、厳密には現在のイタリア語の元となったのはフィレンツェ方言でありローマ方言ではないそうです。商業の中心都市フィレンツェにルネサンスが興りダンテがフィレンツェ方言で神曲を書いたことで、経済/文…

イランはアーリア

イランの語源は「アーリア」。ドイツ人が自らを尊称するときのあの「アーリア(高貴な)です。この国名は1935年にパフレビー王朝がつけたもので、けっこう新しい名前です。イランの国語、ペルシャ語はアフガニスタン、タジキスタンでも話されており、それぞ…

印欧語の動詞の語尾は、結局のところ代名詞

インド/ヨーロッパ語族の特徴は動詞が語尾変化することです。そして、その語尾はすべての印欧語で非常に共通性があります。たとえば一人称単数(わたし)では「mまたはそれが消失して母音になったo」、一人称複数(わたしたち)ではmsという音がよく出てきま…

凄まじいとすさんだ生活

「凄まじい」の語源は「すさむ」でした。すさむは漢字で「荒む」と書きます。「すさんだ生活」「吹きすさぶ風」「荒れすさんだ町」といいますが、すさまじいと同根とは今日まで気がつきませんでした。

「全て」の語源

「すべて」の語源は「統べる(すべる)」(まとめる)のようです。「そうする→そうして→そして」と同様に、「統べる→統べて→すべて」となるわけです。つまり「まとめて」ということです。漢字は本当に目くらましだと思います。全てと統べてだとぜんぜん違う…

かぐわしいの語源

かぐわしいは、今まで「騒ぐ・騒がしい」と同様、「嗅ぐ・かぐわしい」だと思っていました。しかし辞書を見ると、「香+くはし(細し)」の合成語とのことでした。ところで香は音読みで、くはしはヤマト言葉。何でしたっけ、あの湯桶読みじゃなかった、その…

「次」「嗣ぐ」「継ぐ」「接ぐ」「続く」、ぜんぶ意味は同じ

「次」も「継ぎ」も根本の意味は同じです。継続しているから次。あ、継続の中にほら「継ぐ」という漢字がある。ということは「接ぐ」も「嗣ぐ」も、そして「続く」も結局同じなのでしょう。どれも「つぎ」であり、「順序をもって長く続くものに置いて、前の…

「住む」「済む」「澄む」、もとの意味はぜんぶ同じ

日本語では漢字のおかげで本来同じ言葉が違って見えることがあります。たとえば「住む」「済む」「澄む」もその例です。すべて「すむ」という一つのことばですが漢字が違うので全く別の言葉に見えます。「すむ」のもともとの意味は、乱れて濁っていたものが…

ドイツ語は隅々まで単語で塗りつぶすような言語だなと

ドイツ語は隅々までキッチリと、あいまいなところを絶対に作らないよう、単語で埋め尽くすような言い方をする言語だなと、いまマンガ「バクマン」のドイツ語版を読んでいて思います。たとえば次のような文 日本語原文:(1巻 136ページ)「うん そうね好きだ…

フランス語では「働く」と「拷問する」が語源が同じ

英語のtravel(旅する)はフランス語から輸入された言葉です。この言葉の語源は中性ラテン語のtrepaliare(拷問する)に遡ります。旅は今でこそ娯楽ですが、昔はたいへんな難行苦行であり、旅する、すなわち苦しむことであったようです。フランス語では旅する…

ドイツ語の語順になじめません[6] ~ 中国語、韓国語と比べると

参考までにアジア言語の訳も載せてみます。 ***中国語 叔叔当時是以什么様的心情読这个封信呢(シュシュタンシイシェメヤンテシンチントゥチェカフェンシンナ) これは、 「叔叔(おじさん)当時(そのとき)是(*)以什么様的心情(どんな気持ちで)読…

定動詞第二位の法則ってなぜあるんでしょうか?

ドイツ語の定動詞第二位の法則というのは、なぜあるのでしょうか。定動詞が文の二番目に来ると、何が便利なことがあるのでしょうか。およそ言語というのはどんなに不合理なことに見えても話者にとって何かの好都合があるからそうなっているのだと思います。…

ドイツ語の語順になじめません[5] ~ 単語数も多い

以上、各国語を見てみましたが、やっぱりドイツ語の語順のややこしさが際立っています。その上、ドイツ語は単語数が多い。 「おじさんはこの手紙をどんな気持ちで読んだんだろう」の訳をもう一度並べてみます。 - ドイツ語 → 8語:Wie muss sich Onkel Nobuh…

ドイツ語の語順になじめません[4] ~ ロシア語、ポーランド語と比べると

*** ロシア語 что же чувствовал мой дядя (когда читал это)?<what><really> <felt> <my><uncle> <when read this> 翻訳のせいもありますが、「まったく普通」という印象が強いです。 *** ポーランド語 probuje sobie wyobrazic, co musial czuc wujek, (kiedy to czytal)...<i try> <myself> <imagine>,<what><had to><feel><uncle><when this read> ロシア語より複雑だが、語</when></uncle></feel></had></what></imagine></myself></i></when></uncle></my></felt></really></what>…

ドイツ語の語順になじめません[3] ~ スペイン語、イタリア語と比べると

*** スペイン語Como se sentiria mi tio (al leer esa carta)?<How><himself><felt> <my><uncle><to readthis letter> スペイン語でも再帰動詞は多用されますが、このse sentiriaのように必ずセットでくっついています。いや、くっつくのが普通だと思うんですが。英語だってfeel yourself とかexpress yourself </to></uncle></my></felt></himself></how>…

ドイツ語の語順になじめません[2] ~ 英語、フランス語と比べて見る

参考までにバクマンの同じ箇所を他の言語で見てみます。 *** 英語:I wonder how he felt (when he was reading this) なんということもない、普通の語順、語構成に思えます。 *** フランス語:Qu'a pu ressentir oncle Nobu (en lisant cette lettre)?<How><has><can><felt> <uncle><Nobuhiro><in reading this letter> pu<</in></nobuhiro></uncle></felt></can></has></how>…

ドイツ語の語順になじめません[1] ~ どうしてセット単語をわざわざ引き離すのでしょうか?

最近ドイツ語を勉強していますが未だに語順の感覚になじめません。 たとえば漫画「バクマン」1巻125頁の「おじさんはこの手紙をどんな気持ちで読んだんだろう...」というセリフのドイツ語訳。 Wie muss sich Onkel Nobuhiro wohl gefuhlt haben, als er diese…

anyは英語独自の発想?

any(どれでも)というのは欧州語の中でも英語独自の単語のようです。漫画「バクマン」7巻で「自分で学費出すんだから好きな大学いける」というセリフがあり、ここは英語ではI'm going to pay for my tuition myself, so i can go to any college i want. と…

素晴らしいもみすぼらしいも口をすぼめるも昴も語源は同じ

動詞の未然形に~しいをつけると「~したくなるような・するほどの」という意味の形容詞になります。騒ぐ・騒がしい、好む・好ましいなどです。では「すばらしい」という形容詞も、もしや「すばる」という動詞から来たものなのでしょうか。結論からいうと、…

高いと八ヶ岳とそれだけと背丈はみな同じ

日本語は漢字のちがいのせいで本来おなじ言葉がそう見えないことがよくあります。 たとえば八ヶ岳の「岳(たけ)」。これは「高い」と同じ語源ですが、「岳」と「高」を並べても同じに見えません。でも「たけ」「たか」と書くと少し共通して見えますし、take…

ふんぎりがつかない

なかなか一歩が踏み出せない、という意味の「ふんぎりがつかない」を、わたしは長年、「糞切りがつかない」だと思っており「いやあ、下品な言葉だなあ」「女性が使う言葉じゃないなあ」と思っていましたが、正しくは「踏ん切りがつかない」でした……。反省で…

お疲れ様って、、、

「なんでこんな言い方するんだろうな、」とわたしがいちばん思う日本語は、「お疲れ様」です。文字通り、なんだか疲れる言葉だし、なんで「疲れ」を様づけしないといけないのか。まあ、それしか言い方ないからしょうがないけど。この言葉、いつからあるんで…

Googleに驚き

きょう、「本当は怖い語源の話 ~ slave(奴隷)」を書きましたが、その10分後にGoogleで、「Slave 語源」と検索したら、もう検索結果に出ていたので驚きました。Googleってはやい。

昴(すばる)の語源

日本語では動詞のe音がa音になると他動詞が自動詞になるというしくみがあります。上げる・上がる、高める・高まるなど。非常に意外な例では、「統べる・昴(すべる・すばる)があります。統べるとは「まとめる、統括する」の意味。これが自動詞になると「統…

本当は怖い語源の話 ~ slave(奴隷) [その8]

さてSCLAVUSは「中世」ラテン語なので、これはローマ帝国は、コンスタンチノープルを首都とする東ローマ帝国のことかと推測します。東ローマの方がスラブ圏内に近いですし。ではカエサルが活躍していたローマ帝国時代のラテン語では奴隷はどういっていたのか…