読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

素晴らしいもみすぼらしいも口をすぼめるも昴も語源は同じ

動詞の未然形に~しいをつけると「~したくなるような・するほどの」という意味の形容詞になります。騒ぐ・騒がしい、好む・好ましいなどです。では「すばらしい」という形容詞も、もしや「すばる」という動詞から来たものなのでしょうか。結論からいうと、そのとおりでした。

統べる(すべる)は「バラバラのものを一つにまとめる」という動詞です。これには、窄べる(すべる)という書き方もあって、この場合は「一つにまとめる」が転じて、狭くする、ちぢめるという意味になりました。この「窄べる」は現代語でも「(口を)すぼめる」という形で残っています。また現代語の「狭まる(せばまる)」はおそらく「すぼめる」の自動詞「すぼまる」の訛りだと予測されます。

 

統べるの自動詞は統ばるで、「一つにまとまる」という意味です。これは転じて、「昴(すばる)」というプレアデス星団の星のまとまりを表す言葉になりました。同じく、窄べるにも自動詞があり、「窄ばる(すばる)」で「狭くなる、ちぢむ」という意味です。ここから形容詞、「すばらしい」が誕生しました。これはもとの意味は「狭くなるほどの」「ちぢみたくなるほどの」で、江戸時代には「ひどい」「とんでもない」という否定的な意味を表すことになりました。しかし日本語の形容詞や副詞では「すごい」のようにネガティブな意味が、ベクトルがひっくり返ってポジティブな意味を表すことがたびたびあります。すばらしいも、そこに当て字であてられた「素晴らしい」の見た目が幸いしたのか、転じて「とてもよい」という現代の意味になりました。

しかし元のネガティブな意味を残している単語もあります。「見窄らしい(みすぼらしい)」がそれです。

以上、素晴らしいもみすぼらしいもすぼめるも昴も語源は同じという話でした。