敬語が情報を担う

「今日いらっしゃいました」と日本語でいえば、来たのは、誰か目上の人あるいはお客様で、話者はたぶん大人で、話しているのはリラックスした日常ではなく、やや公的な場面ということが分かります。この情報はすべて「いらっしゃいました」というひと言から生じています。つまり日本語では敬語とは、ただ敬意を示すだけでなく、情報をこめた用語です。こんなふうに敬語に情報を積極的に担わせる言語はほかにどんなものがあるのでしょうか。ジャワ語はやたら敬語体系が複雑と聞いたことがあります。今度本を覗いてみよう。