「とりいそぎ」はなぜ「いそぎ」よりていねいになるのか?
「とる」の漢字には、取る、採る、捕る、執る、盗る、摂る、獲る、録る、撮るなどさまざまあります。これら漢字の使い分けを理解するのは面倒です。しかし本当に大事なことは、獲物が植物なら採る、動物なら獲るとか、そういう使い分けを覚えることではなく、すべての用法に共通する貫く論理です。「とる」という言葉は「手」から派生しています。つまり「とる」ときには必ず手を使ってていねいに行います。足で取るとはいいません。そう考えると「とりいそぎ」のように「とり」を頭につけるとていねいになる理由も分かります。手を使うからていねいさが一段アップするわけです。