言語は文字ではなく音声が本質であるというのは、そうかもしれませんが…
言語は文字ではなく音が本質である。なぜなら文字を持たない言語が多くあるから。というのが言語学の大原則です。これに異を唱えるつもりはありませんし、欧米語やサンスクリット、そして文字を持たない言語についてはまさにそのとおりだと思いますが、でも日本語についてはどうなんでしょうか。言葉の意味を考えるとき音だけでなく文字も思い浮かべていると思います。たとえば仕事をしているとき、誰かが机の上の電卓を無断で持って行こうとしたとして、「おい、とるなよ~」と言ったら、言われた相手は「とるなとは何だ」と少しムッとすると思います。このとき相手は、もちろん「取るな」ではなく「盗るな」と思うからムッとするわけです。busyとbusinessは音で聞いても目で見てもすぐ同根だと分かりますが、急ぐと忙しいは同じだと思えません。背が高いと、背丈の高いも丈もどちらも由来は同じですがやはりそうは思えません。これは漢字のせいでtaka-i, takeという音が意識の中で隠れるからだと思います。